なんかむつかしいことをかんがえよう。これからのぼくは。
※本当は、MOTHER1+2のサウンドトラックを載せたかったのですが、無かったので30周年記念に発売になったサントラを載せています。
■人には誰にも、普段からずっとそのことを考えているわけではないけど、時々ふと思い出すような、音楽だったり、映画だったり、ゲームだったりっていう、何かしらの作品があると思います。
自分の幼い頃の思い出なんかに繋がっていたりして…決して楽しい思い出ばっかりじゃないかもしれないけれど…何かのきっかけで、ふと思い出して、感傷的になってしまうみたいな、そういうことってあると思います。
自分にとってはその一つに、「MOTHER」というゲームがあります。今まさにその”ふと思い出している”時が訪れていて、思い出だったり、自分の気持ちみたいなものを書いてみようかな、と思ったのです。
■「MOTHER」というゲームは、『MOTHER』『MOTHER2」『MOTHER3』という風に3作品あって、それらはまとめて”MOTHERシリーズ”なんて呼ばれています。
1989年に『MOTHER』がファミコンで発売され、1994年に『MOTHER2』がスーパーファミコンで発売され、そこから長い時間が開いて、2006年に『MOTHER3』がニンテンドーDSで発売になりました。そして、後に『MOTHER1+2』という作品が(1と2が両方とも入っている作品)、ニンテンドーDSで発売になりました。
僕は、このMOTHERシリーズが本当に好きなゲームなんです。今までやってきたゲームで印象に残っているものと言えば、FFシリーズとこのMOTHERシリーズが思い浮かびます。
今でこそ、もう長いことプレイはしていませんが、それこそMOTHER2なんかは1周と言わず、多分5,6周プレイしていると思います。他の作品も同様で、何周かプレイしています。
■最初に、僕がMOTHERシリーズで初めて遊んだのが、小学校中学年の頃だったと思います。『MOTHER2』をプレイしました。
…しかし、この初めての出会いには、少々後味が悪いものになるのです。
実際には、この初めての『MOTHER2』のプレイでは、ゲームを全クリすることができなかったのです。その理由はなんと…友達にゲームカセットを盗まれてしまったからなのです!
ゲームは、もう終盤までプレイしており…分かる人には分かってもらえると思うんですけど、ネスの心の中までゲームを進めていました笑…あとちょっとで全クリだ!というところまで迫っていたのですが、そういうときに、どういうわけか自宅からMOTHER2のカセット自体が消えてしまうのです。
当時、僕には友人Iが居ました。友人Iは、いわゆるジャイアンみたいなガキ大将で、今となっては、自分がなぜその友人Iと仲良くしていたのか不思議で仕方がないのですが…まぁ、色んな理由があって仲良くしていたんだと思います。
それで、どうもそのカセットは友人Iがパクッたらしいんですよ。これは、また別の友人から聞いた話なのですけどね…皆さんはやってましたかね、カセットの裏に名前書くことを…全部には書いてなかったですけど、MOTHER2のカセットには、僕は自分の名前を書いてシールで貼っていたんですけど、別の友人曰く、友人Iが裏面にシールがはげた痕跡があるMOTHER2を持っていた、とのことです。
しかも、僕は主人公のネスとヒロインのポーラの名前を、(今思うとなぜか笑)「Aくん」「Bさん」などと名付けており、その名前と同じ名前のセーブデータを目撃した、という証言も得られたのです。ちなみに、ジェフは「てんさい」、プーは忘れました、ペットの犬は「パトラッシュ」でした笑
僕は、友人Iに訊ねることができなかったんですよね、「僕のMOTHER2知らない?」ってね。だって相手はジャイアンですからね、「何を!のび太のくせに生意気だ!」って言われるのがオチですよ。僕は、黙って受け入れたんです、そういうことなら仕方ないかって。
ということで、こんな風にして、全クリ未遂で初めての出会いは終わりました。しかし、今思えば、これでもMOTHERの面白さを知るには十分な体験でした。
結局その後、確か中学生の頃だったと記憶していますが、これはまた別の友人なんですけど、その友人とスーパーファミコンのカセットの交換をしたんです。いや、もらったんだったかな…よく覚えていないんですけど、その時に僕はMOTHER2のカセットを再び手に入れることになるのです。
中学生の頃は、もう友人Iと親交は無くなっていたので、平穏無事にMOTHER2の冒険を全クリまで導くことができました。
正直言うと、小学生にとっては、『MOTHER2』っていうゲームは結構難しかったんじゃないかな、と思うんですよね。小学中学年の時の最初のプレイは、とても苦労しながら進んでいたのを覚えています。一番最初の、オネットの街を抜け出すだけで、相当な時間がかかったことを覚えています。
■それから時が経って、大学2年生の頃だったと思います。あのMOTHERシリーズの最新作、『MOTHER3』が発売になるという情報が出ました。しかも、自分は持っていないニンテンドーDSでというじゃないですか。
これはもう買うしかない…ということで、まずはニンテンドーDS買いました。その時に、『MOTHER3』の発売までには時間がまだあったので、すでに発売になっていた『MOTHER1+2』を先にプレイして、『MOTHER3』に備えました。ちなみに、何気に『MOTHER』はこの時に初めてのプレイでした。
大学生の時に、同じ学部にMOTHER仲間である友人Sが居たので、共にMOTHER3の発売を待ち、実際に発売になったあとも、お互いのプレイ状況や攻略を交換しあったのです。
MOTHER3は、これまたMOTHERやMOTHER2とは雰囲気が違う物語でしたね。最初から最後まで、手放しで楽しめるような物語ではないですが、これはこれでとても印象に残っています。
■MOTHERシリーズの作品は、どれもとても魅力的な作品なのですが、自分の中では(おそらく多くの人にとっても?)、やっぱり最初にプレイした『MOTHER2』は特別な作品です。
いわゆるMOTHERシリーズは、RPGという作品なんですけど、RPGっていうと、例えばドラゴンクエストとかファイナルファンタジーとか、いわゆるファンタジーの世界を旅するゲームですよね。モンスターが蔓延っていたり、魔法や武器が存在していたり、自分が暮らしている世界とはかけ離れている世界観の中に身を置く、というのが基本だと思います。
そこへ来て、『MOTHER2』という作品は、言ってみたら日常にとても近い世界を冒険するような作品であり、どこか自分が暮らしている街を冒険しているような感覚でプレイしていました。
最初にゲームした小学中学年や、全クリした中学生の時だって、さすがにゲームと現実の世界の区別はちゃんとついてはいたのですが、特に小学中学年の頃なんかは、どこかMOTHERの世界観を、現実の世界に妄想したりしていました。分かってはいるんですけど、あのMOTHERの世界と、自分の生きている世界が繋がっているんじゃないか、と。
小さい頃って、まぁ誰しもが経験あると思うんですけど、変な遊びとかうわさ話が流行ることってありますよね。
例えば、僕の場合だと、近所に大きな公園があったんですけど、その公園の周りをぐるりと取り囲んでいる排水路の中を探検する、という遊びが、ある時は流行ったことがありました。
ある時ついに、その排水路の一番奥まで辿りついた勇者が現れたんですけど、その勇者が言うには、「奥に、巨大なアメーバが居た!アメーバ星人だ!」と。何のこっちゃ?と思いはしましたが、僕は怖くて奥まで入れなかったので、正体は不明のままです。もしかしたら、本当にアメーバ星人が潜んでいて、地球の侵略の機会を狙っていたのかもしれません。
他にも、誰かがUFOを見たと言い出したら、それから(何故か、笑)周りの友だちからUFOの目撃例が続出したりして、そこから、山の向こうにはUFOの秘密基地があるという噂が立って、山の中を冒険したりしました。
町の片隅には、古びた小屋があったんですけど、そこが”人焼き場”だなんて噂がたったりしましたね。焼いているところを、実際に目撃したっていう子も現れたりしました。
などなど、言い出せば本当にきりがありませんが、今思えば現実の生活に、ゲームみたいな非現実な冒険を当てはめていた、というより、そういう冒険に憧れていたのだと思います。
■それから、やっぱり全作品を通じて、ストーリーとキャラクターは、とても魅力的なものばかりでしたね。
ゲームを手掛けたのは、糸井重里さんという、コピーライターの方です。コピーライターというのは、いわゆる広告なんかにつけるキャッチコピーを考える職業の方で、改めて調べてみると、糸井さんの言葉として、印象に残っているものがたくさんあってびっくりしています。魔女の宅急便「おちこんだりもしたけど、私はげんきです」とか、結構ジブリのキャッチコピーは多く手がけているようですね。
そういう、もともと人の気を引くような言葉を作り出す職業をされている方なので、そもそもゲームを作る専門の人ではないようです。だからそれが逆に、MOTHERシリーズのストーリーや、ゲームに出てくるキャラクターや言葉が、とても個性的なものになっているのだと思います。
ネタバレにならないように、印象的なところを少しずつ紹介してみます。
まずは、『MOTHER』で印象に残っているシーンをしては、どこの町だったかは覚えていないのですが、とある住人に話しかけると、こういうことを言ってくるのです。
*
◆ちいさいころに
トンネルを あるいて
とおったことが あるんだ
◆したいを みにいったんだ
*
結構怖い台詞ですよね。これは、おそらく映画「スタンドバイミー」のパロディでしょう。「スタンドバイミー」は、僕も大好きな映画のひとつなので、この台詞に出会ったとき、すぐに気がついて嬉しくなりました。
ちなみに、この町の近くにあるトンネルを歩いて結構奥まで進むと、レールの傍らに本当に白骨死体が転がっていて、なんと話しかけることができるのです。こういう細かい仕掛けは面白いですよね。
『MOTHER2』については、特定のここの部分が好き!という説明は、一番しづらいです。もう、物語の内容すべて、訪れる街のひとつひとつ、街の住人のセリフのひとつひとつから、すべてが印象深く思っています。
その中でも印象的なのは、やっぱり「ムーンサイド」ですね。説明も、しようがありません。これこそまさにカオスな異空間としか言いようがありません。
なので、ぜひともご自身で体験してほしいんですけどね、ムムーーンンササイイドドへへよよううここそそ。
あとは、やっぱりラストバトルですね。これもネタバレは避けておきます。
最後『MOTHER3』についてですが、プレイした時期が大学生だったってこともよかったと思います。ある程度、感性なんかも育っていたと思いますので、ストーリーは十分伝わってきたと思います。
『MOTHER3』で一番印象に残っているのは、敵キャラですね。『MOTHER3』には、動物や昆虫に機械などをくっつけた…キメラっていうんですかね、そういう生き物が出てくるのですが、ただただ不気味でした。
それから、やっぱり物語の真相ですよね。一筋の物語という意味では、何ていうか、全てがいきなりひっくり返されるような展開は、シリーズでは一番衝撃的でした。
■あとは、何と言っても、MOTHERシリーズには欠かせないのが音楽です。そもそも『MOTHER』と『MOTHER2』は、音楽自体がストーリーの核を担うものになっているのですが、シリーズを通して、本当に音楽が素晴らしいんです。
僕は、冒頭に紹介している『MOTHER1+2』のサウンドトラックを持っているのですが、大人になった今でも…もう初プレイからかれこれ30年くらい経ってますが…このサントラはスマホに入れていて、未だに聴いています。サントラって、歌詞がない分、聴きながらの作業には合うんですよね。
ちょっとだけ好きな音楽を紹介しておくと(あんまりうまく見つけることができなかったけど…)
■あとは、ちょっと少し趣向を変えてMOTHERシリーズの音楽を、個人的に演奏なさっていたり、紹介している映像がYoutubeやニコニコ動画にあり、その中から気に入ったものをいくつか紹介しておきます。
まずはこちら。MOTHERの演奏関連の動画では、一番好きな動画です。調べて見ると、Low-tech Sonというバンドだそうです。facebookの紹介ページによると、どうやら2006年に結成された、2人組の鍵盤奏者からなるバンドだそうです。
ゲーム音楽やアニメソングの制作に携わり、LIVEの映像などが、youtubeでもその様子は一部動画公開されています。
MOTHERの演奏動画は、 Low-tech Son with T.E.O.(Tezuka Yusuke Enharmonic Orchestra)名義のビッグバンドによる演奏になっています。
「Bein’ friends」「pollyanna」「Eight Melodies」は必聴です。もう、涙が止まらない状態になります。
お次はこちら。サカモト教授という人の、MOTHERピアノメドレーです。見ての通り、頭にファミコンの機械を載せて、小学生がプールの着替えで使うようなタオルをマントに見立て羽織るというコミカルな恰好で、ゲーム音楽を演奏しています。
この人の演奏、実は一度だけ生で見たことがあるんです。広島はアリスガーデンというところがあって、野外の演奏スペースなんですけど、そこで演奏されているのを見たことがあります。その時は、MOTHERの演奏はしなかったんですけど、マリオとかグラデュウスとかのBGMを演奏されていました。
動画については、ピアノバージョンとピコピコバージョンの2つのMOTHERメドレーがあります。どちらも好きです。
この動画は、MOTHERの「Eight Melodies」を基にして、オリジナルのメロディーと歌詞をつけて、演奏&歌唱をしてる動画です。
苦手な人には苦手かもしれませんし、僕もあんまりこういうのは得意じゃないはずなんですが、この動画に関しては、すごく良いと思うんです。MOTHERに対する愛を、すごく感じるというか。
歌詞がうまいですよね。ここら辺が好みです。
*
一つの旅の終り 振り返れば
全て楽しい思い出
辛い日々は 過ぎたのに
きっと 心では次の冒険を 夢見てる
*
MOTHERシリーズ全体に通じるテーマのような気がします。
みのミュージックという、色んな音楽を紹介しているYoutubeチャンネルがあるんですけど、そのチャンネルの動画で、みのさんがMOTHERの音楽について語っています。もうこの人の動画を見るだけで、MOTHERの音楽がほとんどわかるのではないでしょうか。
あとは、音楽の紹介ではないですが、MOTHER関連の動画では、一番お世話に…今現在もなっている動画です。
シュシュさんという、女性ゲーム実況者の方が居られるのですが、MOTHERシリーズを全て、ゲーム実況した動画を挙げています。『MOTHER』と『MOTHER2』に関しては、ニコニコ動画の方で見ることができます。
もう大げさじゃなく、かれこれ10回以上は全部の動画を通して見ていると思います。先述したように、今でこそ自分でプレイすることはなくなったんですが、この人の動画をみるだけで、もう自分でプレイしなくても十分になりました。自分が初見でプレイした頃のことを思いだしながら、いつも動画を見ています。
■ということで、これだけ書いても、語りつくすことができないMOTHERシリーズというゲームの紹介でした。
手短にしようとか思っていましたが、ずいぶんと長い記事になってしまいましたね…。