疲れたらちょっとさ そこに座って話そうか

jupiter

 

■英国君主の即位を記念して行われる、国王や女王の在位が25年、40年、50年、60年、65年、70年となる節目に行う行事のこと…それを「Jubilee / ジュビリー」と言うんだそうですね。

 

それぞれ、

 

25周年はSilver Jubilee(シルバージュビリー)
40周年はRuby Jubilee(ルビージュビリー)
50周年はGolden Jubilee(ゴールデンジュビリー)
60周年はDiamond Jubilee(ダイヤモンドジュビリー)
65周年はSapphire Jubilee(サファイアジュビリー)
70周年はPlatinum Jubilee(プラチナジュビリー)

 

という名前がついているそうです。記憶に新しいですが、2022年に崩御された、英国女王エリザベス2世は、在位期間が70年を越えたため(イギリス史上最高齢かつ最長在位の君主)、在位70周年記念式典のプラチナジュビリーが開かれたようです。

 

日本で言う、結婚25年に祝われる銀婚式や、50年の金婚式もこれに由来しているそうです。もともとはとても昔の言葉のようですが、そういう記念日や祝典を表す言葉として”Jubilee”という言葉が使われ始めました。

 

そして、去年の2021年に結成25周年を迎え、まさにSilver Jubilee(シルバージュビリー)と名前を冠して、その活動に節目を打つ活動をしているバンドがありまあす。それが、BUMP OF CHICKENです。

 

 

■グダグダ語りたいんですけど、キリがないので早速本題に入りたいと思います。

 

僕は、大学生の頃からなので、かれこれ20年くらいBUMPを聴き続けています。そんな僕が、BUMP結成25周年を記念して、個人的に好きなBUMPの曲ベスト25を選んでみました。

 

個人的な思い出なんかも語っているので、結局グダグダめっちゃ長くなってしまいますが、適当に読み飛ばしながら読んでください。

 

 

第25位 ダンデライオン

ダンデライオン

ダンデライオン

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アルバム『jupiter』収録曲

 

 

 

第24位 ゼロ

ゼロ

ゼロ

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21作目のシングル曲であり、アルバム『RAY』収録曲

 

 

 

第23位 涙のふるさと

涙のふるさと

涙のふるさと

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12作目のシングル曲であり、アルバム『orbital period』収録曲

 

 

 

第22位 サザンクロス

サザンクロス

サザンクロス

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アルバム『RAY』収録曲

 

 

 

第21位 (please)forgive

(please)forgive

(please)forgive

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アルバム『RAY』収録曲

 

 

 

第20位 カルマ

カルマ

カルマ

11作目のシングル曲であり、アルバム『orbital period』収録曲

 

 

 

第19位 オンリーロンリーグローリー

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8作目のシングル曲であり、アルバム『ユグドラシル』収録曲

 

 

 

第18位 K

K

K

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アルバム『THE LIVING DEAD』収録曲

 

アルバム『THE LIVING DEAD』は、僕がBUMPを好きになった大学生の頃に聴いていたアルバムです。

 

当時このアルバムを初めて聴いた時は、本当に衝撃的でした。その収録曲の1曲1曲が、まるで絵本や神話でも読んでいるかのような物語になっているではないかと…こんなに、ロックナンバー1曲1曲で、自由に物語を語っていいんだな、と驚きましたね。

 

同アルバムには、北欧神話に出てくる神々の王であるオーディンが持っている最強の槍の名前を冠した【グングニル】、ある絵描きの人生を描いた【ベストピクチャー】膨大な時間を、愛する者の命を救うために、穴を掘り続けることに費やした男の生涯を描いた【Ever lasting lie】などが挙げられますが、ストーリー性のある曲という意味では、この【K】という曲がこのアルバムを象徴していると思っています。

 

タイトル”K”の謎は…自分で聴いて、解き明かしてみてください。

 

 

 

第17位 ギルド

ギルド

ギルド

アルバム『ユグドラシル』収録曲。また、この曲をモチーフにした人形劇を収録した映像作品『人形劇ギルド』も発表されました。

 

この曲が発表された頃、僕は大学2年生でした。ちょうどその頃、僕は初めてアルバイトを始めたんです。チェーン店の居酒屋の厨房での仕事でした。

 

当然、夜の仕事なので、終わるのが深夜1時とか過ぎるのもザラだったし、やっぱりきつかったですよ、でも頑張ってやってました。忙しかったけど、それなりに楽しい思い出もあります。結局は、大学を卒業するまでずっと続けたアルバイトでした。最後には、店自体が潰れちゃったので、辞めずに最後まで続けることができました。今の自分の原点ですね、”働く”ってこと、”お金を稼ぐ”ってことは、しんどい思いをしないといけないんだってね、身を持って知った経験でした。

 

この曲を聴いていたのは、そんなアルバイトを始めた当初でした。だから、この曲(と【オンリーロンリーグローリー】)は、個人的には”アルバイト頑張ろうソング”ですね。今でも、”仕事頑張ろうソング”としても、十分当てはまるような気がします。

 

youtu.be

 

 

 

第16位 ラフ・メイカ

ラフ・メイカー

ラフ・メイカー

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シングル『ダイヤモンド』のカップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

BUMPを好きになった最初の頃に聴いたのは、最初の3枚のアルバムでした。その3枚のアルバムは、どれも印象に残る作品で、すぐにBUMPにハマっていきました。

 

ある時、おそらくインターネットでだと思うんですけど、【ラフ・メイカー】の歌詞を先に読む機会が当時ありました。それで、BUMPのカップリング曲にも興味を持ち始めたのがきっかけでした。

 

そういうことで、シングルも少しずつ集めていきました。当時は、まだカップリングアルバムをBUMPは発表していなかったので、カップリング曲を聴こうと思ったら、シングルで聴くしか方法がなかったのです。あ、忘れてました、隠しを聴く目的でもありましたね。

 

先述した【K】みたいな物語性のある曲で、しかもちょっと笑えるような展開には、そうか、この曲を聴いた僕自身が【ラフ・メイカー】にしてやられたのか、と思わざるを得ません。

 

 

 

第15位 voyager/flyby

voyager

voyager

flyby

flyby

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アルバム『orbital period』収録曲です。

 

厳密には2曲分なんで反則っぽいですけど、セットにしてランクインとさせて頂きました。

 

【voyager】がアルバム『orbital period』の1曲目であり、【flyby】が同アルバムの最後の曲になっています。

 

両曲が同アルバムの最初と最後を飾っており、また同じ歌詞や同じメロディーで構成されている部分が多く、精神的にも繋がっていると感じるため、これまで両曲をセットにして聴いてきました。

 

暦上、曜日と日付が一致する周期が、28年周期であるそうです。まさに、アルバム『orbital period』を発表した当時、バンプのメンバーは28歳を迎えていました。そんなアルバムにおいて、藤原さんが、自分たちが生きてきた28年という時間にスポットを当てたのが、【voyager】【flyby】両曲であったのだと思います。

 

voyager(ボイジャー)というのは、1977年に打ち上げられた、NASA無人宇宙探査機「ボイジャー1号」のことなのですが、まさしく、バンプのメンバーが生まれた1979年に、ボイジャー木星に接近して撮影しつつ、通過していくという、flyby(フライバイ)を行ったようなのです。

 

だから、自分たちの生きてきた28年間と、ボイジャーが宇宙空間を飛んでいった28年間とをかけるように、【voyager】【flyby】は生まれたのだと思っています。

 


応答願ウ
命ノ地表カラ 打チ上ゲラレテ 随分立ツ
ズット 通リ過ギル星ノ 数ヲ数エテ 飛ンデキタ
ソノ度覚エタ 音ヲ繋ギ メロディーヲ送ル

 

こんな風に、歌詞の大半には、ロボットや機械が喋っているような、無機質な感じを表したかったのであろう、カタカナ表記が多用されています。他でもない、ボイジャーが語っているという感じに読めるのですが、その内容は、紛れもなく藤原さんが込めた想いが宿っている詞に他ならないのだと思います。

 

【voyager】は、終始藤原さんの弾き語りで構成されていますが、【flyby】の方は、最初は同じく弾き語りで始まるものの、途中から爆発的にバンドサウンドへと移行していくところが、ダイナミックで胸熱な展開だと思います。

 

 

 

第14位 透明飛行船

透明飛行船

透明飛行船

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アルバム『COSMONAUT』収録曲です。

 

時期としては、社会人に成りたてくらいの頃に聴いていた曲です。当時、仕事場にはバスと電車を乗り継いで通勤していたのですが、かなり長時間の通勤だったので、仕事の行き帰りは、音楽鑑賞と読書の時間でした。

 

この曲も、そういう感じでバスの中で聴いていたのですが、ある時、バスの中でこの曲を聴いたときに、何故か大号泣したことがあったんです笑 心が一瞬緩んでしまったのか、弱っていたのか、ただ病んでいたのか、今となっては分かりません。

 

そういえば、当時ワンピースの頂上戦争編をバスの中で読みながら泣いてたこともありました、変な人だと思われたでしょうね笑

 

 

 

第13位 Flare

Flare

Flare

15作目の配信シングルです。

 

この曲は、結成25周年の記念日に発売されました。まさに、Silver Jubileeの始まりのきっかけになっている曲です。

 

ただし、この曲については、異例中の異例…ベースのチャマこと直井由文さんが活動休止中だったため、レコーディングには参加していません。おそらく、ベースは藤原さんが弾いているのだと思います。

 

MVも3人だけが映っていたり、NHKの「SONGS」にも3人体制で出たりと、この頃は3人だけの活動が続きました。

 

ただし、BUMP OF CHICKENは紛れもなく4人組のバンド…直井さんがやったことは許されることではないけれど、やっぱり長く聴いてきた自分にとっては、4人でBUMP OF CHICKENという気持ちは強いです。だからこそ、気持ちとしては複雑ですね、思入れがあるからこそ、ずっと長く聴いてきたからこそ、もう昔のようにBUMP OF CHICKENを聴くことができないのは事実です。

 

だからこそ、改めてちゃんと楽曲を聴くことに没頭すると、そういうことを大切にしようという答えに落ち着きました。

 

【Flare】は、そういう意味では、最近の曲の中では、とても自分には合っていて、しかりと落ち着いて、歌詞とメロディーを聴くことができる曲だと思っています。こういうのでいいんですよ、本来BUMP OF CHICKENは。

 

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第12位 話がしたいよ

話がしたいよ

話がしたいよ

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25作目のシングル曲で、アルバム『Aurora arc』収録曲です。

 

どこまでを”最近”と呼べばいいのか分かりませんが、このシングルが発売になった2018年を”最近”と表現するとしたら、最近のBUMPの楽曲の中では、この曲だったり先述した【Flare】は、ダントツで好きな曲です。

 

BUMPの曲だと、疾走感があるロックな曲や、ミディアムテンポでゆったり聴かせる曲や、壮大なバラードなど色々とあると思うんですけど…ここまでのランキングだったら、どういう種類の曲が多いんだろうか…とにかく、それぞれに良さがあると思います。

 

壮大なバラード…という視点から見ると、例えば個人的に好きなのは、【話がしたいよ】、【Flare】、【ベル】、【友達の唄】、【ゼロ】など…やっぱり、藤原さんが書いた歌詞を、ゆっくり読みながら聴くのが好きです。

 

【話がしたいよ】に関しては、そういう意味で、歌詞の世界にグッと引き込まれる楽曲でした。

 


持て余した手を 自分ごとポケットに隠した
バスが来るまでの間の おまけみたいな時間

 


体と心のどっちに ここまで連れて来られたんだろう
どっちもくたびれてるけど

 


どうやったって戻れないのは一緒だよ
じゃあこういう事を思っているのも一緒がいい

 

そして、2番には”ボイジャー”という言葉が出てきますが、これも先述の通りBUMPにとっては縁の深いもので、こんな風に過去作で使われた言葉が出てくると、ファンにとっては、何だかご褒美をもらった気持ちになって嬉しいです。

 

youtu.be

 

 

 

第11位 夢の飼い主

夢の飼い主

夢の飼い主

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シングル『車輪の唄』カップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

この曲は、本当に歌詞のからくりが上手ですよね。

 


生まれた時は 覚えてないが 呼吸はしていた
理由は無いけど 生みの親は ひと目で判った

 

まるで、子どもや子犬が産まれるような感じで、こんな風に”夢”が生まれることを表すところから曲が始まります。さらに面白いのは、そういう”夢”視点から、”飼い主”と表現されている、その”夢”を持っている人を描いている歌詞になっているというところです。

 


くだらなかった 彼女の日々は 大きく変わった
餌を与えて 散歩にも行って 沢山触った

 


自分の色と 動き方を 忘れてしまった
彼女もいつか 付けた名前を 忘れてしまった

 


いつでも 側にいるよ ずっと 一緒だよ
首輪や 紐じゃないんだよ 君に身を寄せるのは
全て僕の意志だ

 

 

 

第10位 ホリデイ

ホリデイ

ホリデイ

シングル『スノースマイルカップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

僕は大学生の頃、弾き語りサークルに入っていたんです。バンドを組んでいたわけではなくて、アコギを弾き語っていました。2人でコンビを組んだり、最高でも3人位でユニットを組んで活動したりしましたが、1人で弾き語ることも多かったです。その時に、とても下手くそながら、BUMP OF CHICKENの楽曲を弾き語りで演奏したりしていました。

 

例えば、【ギルド】や【車輪の唄】や【ベル】や【スノースマイル】や【ダイヤモンド】や…今思うと、たくさんの曲をやったなぁって感じです。そして、この【ホリデイ】も、そんな弾き語り曲の持ち曲のひとつでした。これがね、結構評判が良かったんですよ。うまいですねとか、声が合ってますねとか言われたりして、とても嬉しかったんです。

 

極めつけは、僕と食事に行きたいなんていう女性が出てきてね、一つ上の先輩でしたよ、サークルの先輩がセッティングしてくれたりしてね、そういうことがおじさんにもあったんです笑。

 

まさに、この曲こそ、大学生にピッタリの歌です。こういう日常を切り取ったような歌詞は、藤原さんの一つの真骨頂ですよね。

 


君にもらった花 3日と持たず 枯らしたよ
詳しい人に話聞けば 水の遣り過ぎらしい

 


どうやらまた 朝に繋がった
遅刻かも起きなくちゃ
いいや、ホリデイ 今日は起きないぞ
夢の続き 見るんだ

 


そんで帰る時覚えてたら
君に貰った花を 買って帰ろう 時計の電池も

 

あと2回 寝返りしたら 試しに起きてみよう
あと3回 寝返りしたら 今度こそ起きてやろう

 

何ていうか、大学生の特権っていうんですかね、寝過ごして講義に遅刻するとか、昼から学校に行って食堂で友達に会って、「お前今来たんか、おせーよ。単位落とすぞー」的な感じ、今でも思い出します。社会人になったら、絶対にもう経験できない、とても懐かしい記憶です。

 

 

 

第9位 HAPPY

HAPPY

HAPPY

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16作目のシングル曲であり、アルバム『COSMONAUT』収録曲です。

 

この曲を初めて聴いたのは、確かラジオだったと思います。CDが発売する前だったのですが、そのラジオ音源を携帯電話の録音機能で無理やり録音して、ずっと聴いていました。おかげで、CDが発売になる頃には、もう全てを覚えてしまっていました。

 

この曲には、とても思い入れがありまして、この曲を聴いていた時期は、自分が最初に就いた仕事を頑張っていた頃でした。

 

社会人に成り立てだったし、どんな仕事も頑張ってこなそう、という感じで頑張っていたんですけど、程なく、仕事を辞めようか続けようか、みたいな葛藤する時期に入りました。というより、思い返してみると、ほとんどずっとでしたね、仕事を始めてすぐに、この仕事は果たして、自分が一生していく仕事なんだろうか、と思いながらも仕事をしていました。

 

しかし、じゃあ仕事辞めるか、とはすぐに簡単にはいきませんよね。まぁ、時間が経った後、結局は辞めちゃうんですが、色々と葛藤しながらも仕事を頑張っていた時期に、この【HAPPY】を聴いていました。

 


続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う
無くした後に残された 愛しい空っぽを抱きしめて

 

消えない悲しみがあるなら 生き続ける意味だってあるだろう
どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう

 

この辺りが、かなりパワーワードですよね。”続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う”って、この辺りに妙に納得させられたことを、よく覚えているんです。

 

そっか、まぁそう言ってくれるなら、もう少しだけ仕事頑張ってみようかなって、この曲を聴いて、仕事を辞めることを踏み止まって、粘りながら仕事していたのを覚えています。この曲と、あとスピッツの【ビギナー】は、そういう思い出がある曲ですね。

 

youtu.be

 

 

 

第8位 宇宙飛行士への手紙

宇宙飛行士への手紙

宇宙飛行士への手紙

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17作目のシングル曲であり、アルバム『COSMONAUT』収録曲です。

 

シングル曲の中では、そんなに目立たない曲なんですかね。疾走感があって盛り上がる曲でなければ、映画などに使われた壮大なバラードでもないので、そんなに注目されてはいないかもしれません。それでも、この【宇宙飛行士への手紙】という曲が、僕はとてもお気に入りです。

 

4つ打ちのドラムって言えば良いんですかね、「ドン、ドン、ドン、ドン」という風にバスドラの音が鳴らしているリズムが、すごく心地いいんです。速い曲でも、かといってのんびりしている曲でもない、こういう感じの曲を、ゆっくりと歌詞を読みながら聴くのも好きです。

 


出来るだけ離れないで いたいと願うのは
出会う前の君に 僕は絶対出会えないから
今もいつか過去になって 取り戻せなくなるから
それが未来の 今のうちに ちゃんと取り戻しておきたいから

 

そう言えば、シングル曲【ゼロ】の時だったと思うんですけど、何かのインタビューにおいて、藤原さんは歌詞においては、例えば【ゼロ】だったら、”終わりまであなたといたい それ以外確かな思いが無い”という風に、「終わり」を認めた上で、「その終わりまで一緒に居たい」という風に歌詞を書くんだそうです。

 

アーティストによっては、「永遠に一緒に居たい」だの、「生まれ変わっても一緒になろう」だの歌詞を書くのですが、藤原さんは、ちゃんといつか終わることを認めた上で、歌詞を書いていると語られていました。

 

例えば、【グッドラック】という曲でも、”手と手を繋いだら いつか離れてしまうのかな”とか、【記念撮影】でも、”君は笑っていた 僕だってそうだった 終わる魔法の外へ向けて”などもそうですかね。

 

【宇宙飛行士への手紙】に関してもそうですよね。”出来るだけ離れないで いたいと願うのは”ってね、永遠に一緒に居ることではなく、ここもやっぱり、終わりがあるということを認めつつ、だからこそ、今一緒に居られることの大切さを歌っているのだと解釈しています。

 

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第7位 バイバイ、サンキュー

バイバイサンキュー

バイバイサンキュー

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シングル『天体観測』カップリング曲であり、カップリングアルバム『present from you』収録曲です。

 

僕がBUMP OF CHICKENと出会ったのが、大学生に成り立ての頃になるんですけど、故郷を離れ、独り暮らしを始めた時分でした。希望と不安の入り混じった気持ちで過ごしていた中、僕はBUMP OF CHICKENと出会い、そして【バイバイ、サンキュー】とも出会いました。最初は、この曲のMVが収められていた、ビデオ『jupiter』でこの曲を知ったのです。

 

【バイバイ、サンキュー】では、こんな風に歌われています。

 


昨日の夜できた唄を持って 夢に見た街まで行くよ
こんなに素敵なこと 他にはないだから
ひとりぼっち 空の下で
上手に歌って みせるから

 

なんていうか、独りぼっちを応援してくれている感じっていうんですかね。大学生活を過ごしていく中で、たくさんの友だちはできたんですけど、ふと息を付いた時に、時々感じる孤独感を、それでも大丈夫だって、それで良いんだよって、背中を押してくれる歌という感じです。

 

また、僕自身それなりに友人との別れを経験してきたのですが、その時その時に、この歌をカラオケやギターの弾き語りで歌って見送ったということが、大学の時に何度かありました。そういう思い出の詰まった曲です。

 

ちなみにこの歌は、藤原さんが17歳の時に、ベルギーに行ってしまう先輩へ送った歌【弱虫賛歌】が原曲となっているようです。

 

 

 

第6位 Ever lasting lie

Ever lasting lie

Ever lasting lie

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アルバム『THE LIVING DEAD』収録曲であり、シングル『アルエ』のカップリング曲に、【Ever lasting lie(Acoustic Version)】が収録されています。

 

何度も語っているように、僕は大学生に成りたての頃、バンプに本格的にハマったのですが、最初のきっかけは、【ロストマン】を聴いてからでした。

 

それで、そこからさかのぼる形で、バンプのアルバムを聴きはじめるわけですが、一番最初にアルバムとして聴いたのが、『THE LIVING DEAD』だったんです。

 

アルバム『THE LIVING DEAD』は、通算では2枚目のオリジナルアルバムなのですが、まだインディーズ時代のアルバムであり、もちろん現在のバンプの楽曲とは、一味も二味も違う感じになっています。

 

この時期の藤原さんの作る曲の特徴は、楽曲に物語性があるというところだと思います。楽曲を聴いているというより、物語を読んでいるという感覚の方が近いと思います。

 

今更感がありますが、あんまりネタバレばっかりじゃつまらないから、物語の内容についてはおいておきます。8分以上の超大作で、この歌で語られている物語は、とてつもなく壮大です。3分近くある間奏も圧巻ですし、そもそも前奏を聴いただけで、もうヤバいです。

 

この曲然り、ひいてはこのアルバムは本当に衝撃的でしたね。楽曲で、こんなに自由に物語を聴かせて良いんだって。またこういうアルバム作ってほしいなとか思うんですけど、もう2度作れない、奇跡の一枚だったんだなって、今は思っています。

 

 

 

第5位 リリィ

リリィ

リリィ

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アルバム『THE LIVING DEAD』収録曲

 

【K】や【Ever lasting lie】と同様、アルバム『THE LIVING DEAD』に入っている楽曲です。同アルバムの曲には、物語性の強い曲が多く、藤原さんの空想が色濃く反映されている感じの曲が多いんですけど、【リリィ】という曲は、正確には物語っていう感じとは少し違うような感じです。

 

【リリィ】は、藤原さんには珍しく、ラブソングを公言している曲であるそうです。それ故、藤原さんが当時の恋人のことを歌っているんじゃないかとか、その恋人の名前が、百合 / ユリ(Lily / リリィを訳すと、百合なので)だったんじゃないかとか、そういう話もあります。

 

まぁ、そんな風にまさしく、色々と物語を想像できるような歌詞になっているのが魅力ではあるんですけどね。

 

ちなみに、また僕自身の大学生の頃の話なんですけど…まぁ、おじさんにも色恋のひとつやふたつはあるわけで、当時の僕は、2年くらいずっと同じ人に恋をしてたんですよ。ずっと友達で、あっちの方も、恋愛としてなのか友達としてなのか、よく分からない好意を僕に持っていたりして、ずるずる変な関係を続けていました。

 

結局、その人とは付き合えることになって、大学生の分際で一緒に住んでみたりしてね。まだ仕送りをもらっている分際でね、一生一緒に居ようなとか約束したりして…そういうことがおじさんにもありましたよ。

 

そういうときに、【リリィ】の物語を、自分たちに重ねたりしてたんです。別に、僕がプロミュージシャンを目指してたとか、そういうんじゃないですよ、そもそもそんなに大それた夢があったわけではないですけどね…今思えば、中二病ならぬ大二病みたいな感じでした。

 

 

 

第4位 友達の唄

友達の唄

友達の唄

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19作目のシングル曲であり、アルバム『RAY』収録曲です。

 

バンプで「〇〇の唄」というのは、かなり名曲が多いイメージです。例えば、【飴玉の唄】、【車輪の唄】、【とっておきの唄】、【くだらない唄】…ってあんまり無かったですね。でも、これだけ並べてみても、結構名曲揃いだと思うんです。

 

その中でも、【友達の唄】は、「〇〇の唄」シリーズの中でもダントツで好きな曲です。

 

【友達の唄】は、2011年に公開された、映画「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」の主題歌になっています。当初、ええ…バンプドラえもんの主題歌かよ…とか思ったんですけど、公開になった楽曲は本当に素晴らしく、映画にぴったり合ってるなって思ったんです。

 

この歌も、やはり歌詞が素晴らしいんです。

 


あなたが大きくなるまでに 雨の日なんて何度もある
その中の一度は一緒に濡れた事 忘れちゃうかな

 


怖がりで優しいから 怒った事は何度もない
その中の一度をあの時くれた事 震えていた声

(まさに、のび太くんを思い浮かべる歌詞ですよね)

 


今 私が泣いていても あなたの記憶の中では
どうかあなたと 同じ笑顔で きっと思い出してね

 

こんな風に、”友達”のことを歌詞にできるなんて、藤原さんは本当に素敵できれいな感性を持っているんでしょう。

 

この曲は、先述のように、ドラえもんの映画の主題歌として書かれた曲であるため、”友達”というと、のび太ドラえもんなどの関係を思い浮かべますが、それと同時に、BUMP OF CHICKENメンバーも表していると思います。

 

本当に、気持ち悪いくらい(すみません苦笑)仲が良いバンプメンバーです。何かのインタビューにおいて、この曲を作っている時に、藤原さんは、メンバーのことも思い浮かべていたと語っておられました。

 

高校生の時に、現メンバーのBUMP OF CHICKENが結成されたようですが、楽曲や演奏技術のレベルの高さや知名度はどんどん上がっていっても、ノリは全然高校生の頃のまんまのように、本当に仲が良いメンバーです。こういう、仲の良さが垣間見えることも、バンプの魅力の一つです。

 

そういう意味では、スピッツBUMP OF CHICKENも解散や音楽性の違いによる活動休止、メンバー脱退などの想像が全くつきません。そういう心配はしなくて良さそうです。

 

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第3位 トーチ

トーチ

トーチ

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アルバム『RAY』収録曲です。

 

アルバム単位で見ていくと、個人的には、2枚目のアルバム『THE LIVING DEAD』と3枚目のアルバム『jupiter』が、至高の2枚だと思っています。おそらく、これは今後変わることがないでしょう。

 

逆に、最近のアルバムにいくにつれて、例えば現時点での最新作『Aurora arc』や8枚目『Butterflies』などは、自分の中でヒットしていません。おそらく、今後の作品もきっと…。

 

ただ、その”割と最近の作品”の中でも、アルバム『RAY』については、個人的にはかなりお気に入りのアルバムで、『THE LIVING DEAD』と『jupiter』の次に推したい作品です。

 

アルバムを聴く醍醐味っていうのは、やっぱりアルバムで初めて聴くことができる楽曲(以下、単に”アルバム曲”)があるというところだと思います。そして、そのアルバム曲でお気に入りの曲を多く見つけることができれば、結局は全体的に、お気に入りのアルバムになるのだと思います。

 

思えば、『Butterflies』はアルバム曲が自分にはヒットしなかったですし、『aurora arc』にはそもそもアルバム曲が少ないんです。

 

そこへ来て、『RAY』には素晴らしいアルバム曲がたくさん入っています。
表題曲の【ray】は最初は苦手でしたが、結局好きになりました。あとは、【サザンクロス】、【ラストワン】、【morning glow】、【(please) forgive】など、本当に名曲揃いなんです。

 

そして、【トーチ】も、そんなアルバム曲の一つなんですが、もう飛び抜けてこの曲が好きなんです。

 

何かうまく説明できないんですけど、メロディーがすごく心地良いなって思うんですよね。何か、跳ねる感じっていうんですかね、ギターのリズムというか、弾き方の感じがそうさせるんですかね。ほんとに聴いていて気持ちが良いんです。

 

ただし、そんな軽快なメロディーとは裏腹に、歌詞を読んでみると、結構悲しい内容なのかなって思うんです。同アルバムには、東日本大震災の復興の為に作られた【Smile】も入っているのですが、【トーチ】もそういう意味では、何となく同じような流れで作られた歌なのかなと、個人的に想像しています。

 

何となく、”故人のことをを想う気持ち”みたいなものがちらつくなぁって感じているのです。

 


君といた事をなくさないように なくした事をなくさないように
どれだけ離れてもここにある 君がいるからどこまでだって

 

震える足でも進めるように 今も星空が広がるように
すぐにそんな風には思えなくても 動かなきゃきっと君に会えない
会いたい 会いたい

 

もちろん、ただ単に生きて離ればなれになった人のことを想っているとして、十分成立する楽曲なんだと思うんですけど、曲のタイトルが【トーチ】であることや(何となく、トーチ/torchという物からは、”弔い”だったり”鎮魂”みたいなイメージが強いため)、この曲が作られた時期的なところから、故人のことを想っているのではないか、と感じるようになったのです。

 

ほとんどBUMP OF CHICKENの楽曲から、”死”のイメージを受け取ることってそんなになくて、むしろ”生”、”生きること”を歌うバンドだと思っているので、”死”のイメージを受け取った【トーチ】という曲は、バンプの楽曲の中でも特殊だなって思うんです。

 

 

 

第2位 ロストマン

ロストマン

ロストマン

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5作目のシングル曲であり、アルバム『ユグドラシル』収録曲です。

 

僕にとって、BUMP OF CHICKENとの出会いの曲です。まぁ、正確には初めて聴いたのが、おそらく多くの人がそうだと思うんですけど、高校生の時に当バンドが発表した【天体観測】でした。

 

しかし、【天体観測】は、自分の中でそこまでヒットしませんでした。藤原さんと増川さんの見分けもつかないまま、最初の出会いは過ぎていったんですけど、結局大学生の時に【ロストマン】を聴いて、バンプにハマったわけです。

 

この曲については、以前に記事を書いていますので、詳しくはそちらに任せます。

 

itukamitaniji2.hatenablog.com

 

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第1位 メロディーフラッグ

メロディーフラッグ

メロディーフラッグ

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アルバム『jupiter』収録曲です。

 

堂々の第1位。ランキングの中で、この曲のこの位置は、一番迷いませんでした。他の曲は、多少入れ替わることがあるかもしれませんが、この曲は永遠に不動です。

 

この曲との出会いもとても古く、大学時代にBUMP OF CHICKENと出会った頃の、一番古い記憶になります。僕は他県の大学に通うべく、慣れない街で独り暮らしを始めた頃に、バンプに出会ったのですが、そんな僕をこの曲も救ってくれました。

 

最初は、藤原さんの弾き語りで、優しくこの楽曲が始まります。

 


疲れたらちょっとさ
そこに座って話そうか

 

と、こう語りかけるように、この曲は始まります。まるで、長く付き合ってきた友達のように、同じ苦労を共にしてきた戦友のように、この曲は自分に寄り添ってくれました。

 

ずっと弾き続けられている、ギターのアルペジオのメロディーも、本当に美しいですよね。お世辞抜きで、日本一、いや、世界一きれいなアルペジオのメロディーだと思っています。僕も、何度も練習しましたが、でも案外きれいに弾けないんですよね。

 

それで、この曲はもちろん自分を元気づけてくれる曲であるのですが、個人的な思い出としては、先述の【バイバイ、サンキュー】と同様に、誰か別の人に向けて歌うようようの、何て言うか自分の十八番的な曲です、今でもそうですが…。

 

友達がへこんでいたら、やいやい、ちょっとカラオケ行くか、とか誘って、ちょっと俺が歌うから聴いとけよ、みたいな感じでこの曲を歌ってあげる…と、ちょっと話を盛っていますけど、でも本当にこういうことはあったんです。誰かに聴かせたい歌、歌っているのを聴いてもらいたい歌でしたね。

 

というのが、曲の内容自体が、友達を励ますような内容になっているんです。

 


疲れたらちょっとさ そこに座って話そうか
いつだって 僕らは 休む間も無くさまよった

 


そこで涙をこぼしても 誰も気付かない 何も変わらない
少しでもそばに来れるかい? すぐに手を掴んでやる

 


ここで今 君の手を 掴む為のメロディーフラッグ
遠い約束の歌 深く刺した旗

 

この曲が生まれた背景には、「雪の日に転んで、一時的に記憶障害に陥った親友に贈った歌」というものがあるそうです。そもそもが、この歌を藤原さんは誰かのことを想って作った歌だったのです。

 

だから、歌詞の中に、”目印”、”約束”、”思い出して”などの言葉が散りばめられているのでしょう。そうして、藤原さんは、親友の記憶が戻ることを願ったのです。

 

このエピソードを含めて、【メロディーフラッグ】は名曲だと思うのです。やっぱり名曲には、その完成に至るまでの物語があるものです。

 

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